「タバコをやめたら」などのシミュレーションも可能
このツールの便利なところは、「何から改善したらいいのか」がわかるところです。
まず、現状を入力して結果を出しますよね。その結果、リスクが高いことがわかったとしましょう。そうしたら、「前の画面に戻る」をタップして、また入力画面に戻り、コレステロールを下げたらどうなるのか、血圧を下げたらどうなるのか、タバコをやめたらどうなるのかといったシミュレーションを行うことができるのです(厳密なシミュレーションではありませんが、簡単に傾向を把握するには問題ないと思います)。
たとえば、血圧を下げたときにいちばん発症確率が下がったとしたら、その人にとっては血圧を下げることがとくに大切だということ。診察室では、そうしたシミュレーションを患者さんと一緒にしながら、「まずは血圧から頑張ってみましょうか」などとお話ししています。
また、吹田スコアを見ていただくとわかるとおり、年齢が上がると、点数が高くなります。
そこで、「この状態を10年後までそのままにしておいたらどうなると思いますか?」などと言って、年齢を10歳プラスしてシミュレーションしてみることもあります。そうすると、リスクがやや上がったりするのですね。
そうやって結果を見ると、患者さんは「今から血圧を下げておかないと」「ちゃんと治療をしよう」などと前向きにとらえてくれます。やっぱり、リスクが見えると、モチベーションにつながるのでしょう。