Zenlyのおかげで命が助かったケースも
一方で、位置情報共有アプリで命が助かったという人もいる。FNNの報道によると、2020年9月、タクシーの運転手の女性が53歳の男にナイフを突きつけられ、両腕を縛られてトランクに押し込められる事件が起きた。
当日の最高気温は34度を超えており、熱くなるトランクの中で女性は身の危険を感じたという。女性は隠し持っていたスマホで家族に「トランクの中。死ぬかも」とLINEで助けを求めたそうだ。
そこで使われたのがZenlyだ。女性は夫とZenlyで居場所を共有していたのだ。夫が警察に連絡して居場所を特定、女性は助けられた。男は強盗の疑いで逮捕されたという。
需要がある限り「ネクストZenly」が台頭してくる
運営会社の米Snap(スナップ)は現地時間8月31日、Zenlyのサービス終了を発表した。Snapはスマートフォン向けアプリ「Snapchat」なども運営している企業で、収益悪化による事業の見直しを理由としている。
ZenlyのTwitterアカウント(@ZenlyJP)も日本時間9月1日に「日本でも多くの方々にご利用いただいているzenlyですが、親会社の事業の再構築と再集中化にともない、数カ月後に提供を終了いたします」と投稿した(現在は削除)。SNS上では利用者からは「なくなると不便になる」「待ち合わせのときにどうしよう」など、惜しむ声が多く寄せられた。
こういった反応からもわかるように、位置情報共有アプリは人気が高く、需要も高い。Zenlyがサービスを終了したとしても、現在すでに複数ある類似サービスがさらに増え、乗り換えが進んでいくだろう。
位置情報共有アプリは、うまく使えば楽しく便利なものだ。ただし、不特定多数やよく知らない相手に公開することで大きなリスクにつながることを知り、つながる相手は厳選するべきだろう。保護者はぜひ、子どもに知らない人と位置情報を共有するリスクを教えてあげてほしい。