ゼンリー交換掲示板で「会える人いますか?」
Zenlyなどの位置情報共有アプリは、友人や家族などの親しい関係でならば、ご説明したように便利に利用できる。しかし、被害者の女子高生のように、よく知らない相手ともつながり、位置情報を共有するケースも少なくない。
私が話を聞いた女子高生も、SNSで知り合った相手とZenlyでつながっているという。「フレンドが少ないとつまらないから、増やしたかった。日本全国にいると楽しいかなと思って」と話す。
このような考えの若者は、実は少なくない。たとえば、「ゼンリー交換掲示板」というものがある。この掲示板をみると、自分のIDを不特定多数に公開している人が多いことがわかる。「誰でも!」などと誰でもOKとしている人もいるし、「会える人いますか?」「愛知です」「岡山近辺の人」などと地域を限定して会える人とつながりたいとしている人もいる状態だ。
「#ゼンリー交換」というハッシュタグをつけてTwitterでIDを公開、フレンド募集をしているユーザーもいる。Twitterなどでアプリのキャプチャを公開し、大体の居住地が分かる状態となっているユーザーも見つけた。また、Instagramで「#ゼンリー」を検索すると、ZenlyのIDがたくさん見つかる状態だ。
「楽しいけどやっぱりちょっとやばいのかな」
他のSNSやオンラインゲームでもこのような行動が見られるが、Zenlyの怖さは、フレンドになると自宅や学校、勤務先、現在地まですべて筒抜けになってしまうことだ。しかし、多くの若者たちがそのリスクについて深く考えていないようだ。
先ほど紹介した女子高生は「友人が自宅にいきなり来たことがある。Zenlyでつながっているから当たり前かもしれないけど、やっぱり驚いた」とも話す。
彼女の友人の中に、「○○さんですよね」と街角で知らない人に声をかけられたことがある子がいるそうだ。友人もSNSで知らない人たちと多数つながっていたという。「それを聞いて、楽しいけどやっぱりちょっとやばいのかなって」