社会保険料はこの24年間で何度も何度も増額された
数字を改めて確認し、整理してみよう。
「非正規含む勤労者」の平均年収は、次のようになった。
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2020年 433万1000円(34万2000円減、7.3%減)
給与が減っただけではない。手取りの収入も大きく落ち込んだ。手取り収入は、次の算式から導き出される。
社会保険料は、この24年間で何度も増額された。その主なものは以下の通り。
② 賞与からも社会保険料を徴収するようになった。
③ 介護保険制度が2000年から導入された。
④ 健康保険料率が引き上げられた。
年収は、賞与が3カ月分あったとして次のような内訳だったと仮定した。(端数処理のため、合計は合わない)
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2020年 給与28万8700円+賞与86万6200円=年収433万1000円
年収が上記のような内訳だった場合、公的保険料は年額で次のようになった。社会保険料は、平均保険料率(4月1日基準)を乗じた。なお、介護保険は1997年にはなかった。
健康保険 15万6000円
介護保険 0円
厚生年金 32万8900円
雇用保険 1万8600円
↓
2020年 保険料合計=66万1700円
健康保険 21万3700円
介護保険 3万8700円
厚生年金 39万6200円
雇用保険 1万2900円
つまり、年収が33万円以上も減っているにもかかわらず、公的保険料は年間で15万8000円も増えていた。
次に所得税を調べた。これも年収減なのに、増えている。
467万3000円の年収に対しては9万3400円
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2020年
433万1000円の年収に対しては9万4600円(1200円増、1.3%増)
住民税はどうだろうか。総務省に照会したところ、東京都民の場合は、実入りは減ったのになんと12万円の負担増だ。
467万3000円の年収に対しては15万1100円
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2020年
433万1000円の年収に対しては27万2600円(12万1500円増、80.4%増)
注:所得税と住民税の税率は、社会保険料が給与額面に対して概算15%だったものとして計算。生命保険料控除や地震保険料控除等の控除項目はなしで計算。
以上を踏まえ、「手取り収入」を計算してみた。