自己負担が5割、7割と上がっていく可能性がある

例えば、自己負担の割合は今後上がっていくでしょう。いまは年齢による区別以外、自己負担額は一律ですが、今後は疾病によって保険適用比率が変わってくる、といったこともあるかもしれません。

奥真也『医療貧国ニッポン』(PHP新書)

命に関わるような病気には手厚くするけれど、軽度な病気の場合は自己負担を5割にするとか、7割にするとかいったことが起きる可能性もあります。そうすれば、風邪を引いたくらいで簡単に医者に行こうとしなくなるからです。

さらには、保険適用外の医療行為が増えていくということも考えられます。保険医療でできることと、そうでないことがはっきり分かれる。歯科はすでにそうなっています。

レジ袋が店頭で無料配布されなくなったとき、さまざまな批判が渦巻きました。いろいろ批判はいまもってありますが、レジ袋はもらえるのが当たり前という意識は明らかに変わり、それぞれがエコバッグを用意して買い物に出かけるようになりました。

レジ袋をやめたことが、はたして本当にゴミの削減に効果があるか、環境問題に効果があるかどうかはともかくとして、人々の意識が変わったことは事実です。

人々の意識を変えていくには、ときに果断な施策を打ち出すことも必要だと思います。医療もいま、そういった強い施策によってパラダイムシフトしていくことが必要なのではないでしょうか。

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