「ちょっと教えて」と言えば部下は萎縮しない

部下は、想像以上に上司に気を使っているものです。あなたのちょっとした言動にビクビクしているかもしれません。それなのに、あなたが期待したとおりの報告がない場合についつい、

「なぜこうしないんだ?」
「どうしてできないんだ?」
「なんでこんな文章になるんだ?」

といったように質問してしまっていませんか? これは質問ではなく「詰問」です。このようなやり方をしても理路整然かつ淡々と答えてくる部下は豪胆だと思いますが、ほとんどの部下は言い訳をするか、恐れをなして何も言えなくなります。詰問を避けて部下の警戒心を解きほぐすマナー(作法)は以下の通りです。

「ちょっと教えてください」「ちょっと教えてくれる?」と部下を呼ぶ

「この文章はこういう意図でつくった文章ということでいいのかな?」
「この企画はこういうことをしたいということだよね?」
「どのようにしたら、できるようになるだろう?」
「○○のようにしてみることは可能ですか?」

まず呼びかけ方も、部下の心拍数を上げないように呼びかけることが大事です。「おい!」「○○(名前)、ちょっと来い」などは部下からすれば「また叱られるのかな」などと心拍数が上がる要因になります。「○○さん、ちょっと教えて」だと部下は萎縮せずに「上司の役に立てるかな」と気軽に応じることができます。

「一言のお礼」で上司のモヤモヤは晴れる

部下に指導をした(時間と労力を割いて教えてあげた)のに一言もお礼がない、食事やお酒を奢ったにもかかわらず一言もお礼がない、こうした状況に腹を立てている人もいることでしょう。

古今東西、上司はこのようなことに直面してきました。大日本帝国海軍で連合艦隊司令長官を務めた山本五十六は「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」と言いました。人望厚く部下から慕われていた山本ですら部下が思う通りにならなかったと思えば、少しは気が楽になります。

お礼の一言もないことに対し、その場で「指導」したくなるかとは思いますが、その場では抑え、別の場で個別に穏やかに話をしていきましょう。また、あなたが部下の立場であれば、一言でいいのできっちりお礼を言ってあげてください。それだけで、上司はモヤモヤが晴れて気持ちが良くなるものなのです。

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