まだ企業が本腰を入れていないYouTube広告

ただ高齢者向けのYouTube広告は2022年現在、まだまだ発展途上と言わざるをえません。健康食品などの広告が出ていないことはないのですが、まだまだ少ない。企業が本腰を入れてデジタル高齢者を取りにいっていないのです。

原田曜平『シン世代マーケティング』(ぱる出版)

しかし2020年から続くコロナ禍で特に高齢者の外出が憚かられ、デジタル高齢者はかなり増えたと見ます。これまで、パソコンは自宅に一応あるけどろくにいじっていなかったような人が、1日中TVを見ていてもいまいち面白くないから……とYouTubeに目覚めた。そんなケースはきっと多いでしょう。

同調査によると、60代以上全体の23.3%がAmazonでの通販体験が、17.5%が楽天市場での通販経験があります。これをパソコン保有者に限定すれば、実に66.0%がAmazonで、46.2%が楽天市場で通販を経験しています(ただし60、70代のみ。80代はほとんど使っていません)。

やはり消費者として狙うべきは「団塊世代以下でパソコンを使っている人」で間違いないのです。

高齢者にはライブコマースのニーズがある

これはひとつの可能性ですが、今までTVの通販番組を見て商品を買っていた高齢者が、いずれライブコマースの顧客になることは十分に考えられます。

ライブコマースとは、弁の立つ売り手が生で動画を配信しながら商品を販売する手法のこと。売り手がタレントやインフルエンサーであることも多く、本場・中国ではものすごい一大市場を築き上げています。

高齢者は体が弱くなったり、コロナ禍が長引いて外出に不安を抱きがちなので、家にいながらにして楽しく買い物ができるサービスにはニーズがあるでしょう。

いずれ高齢者自身が配信者となって同世代に商品を売りまくる、なんてことが起こるかもしれません。

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