ちなみに、私の場合は、目を瞑って深呼吸することにしている。そして、外に出られる場合は、すぐに散歩し、自然に触れる。外に出られない場合は、5分ほど座禅する。この3つを、できるだけなにも考えずにやると決めている。

改めて、「アンガーマネジメント」と「ダウンマネジメント」をまとめると、こうなる。

アンガーマネジメント
怒りをコントロールすること。怒りに狂いそうになったときや、イライラが爆発しそうになったときに、まず「最初に」なにをするのかを、事前に決めておくこと。
ダウンマネジメント
悲しみをコントロールすること。深い悲しみを感じたときや、すごく落ち込んだときに、まず「最初に」なにをするのかを、事前に決めておくこと。

自分の取扱説明書を4つのゾーンに分類する

アンガーマネジメントとダウンマネジメントのページができたなら、つぎにやるべきことは、自分の取扱説明書の「全体像」をつくることだ。

まず、押さえておきたいのは、自分の取扱説明書は2×2のマトリックスでできている、ということだ。先に、全体像を示すと、図表1のようになる。これは、世の中に起きていることの自分への影響を、縦軸(=ポジティブ/ネガティブ)と横軸(=日常/非日常)で、4つのゾーンに分類したものである。

ちなみに、この4つに分類している理由は、あなたがつくるべき取扱説明書が、それぞれで微妙に違うからである。1つずつ定義を見ていこう。

まず1つめは、右上のA。ここは、「ポジティブ×非日常のゾーン」である。具体的には、「ワクワク・興奮ゾーン」である。たとえば、旅行やパーティかもしれないし、大好きなスポーツチームを応援するときや、コンサートかもしれない。

あるいは、部活やサークルなら、大きな大会に出場するときなどを、想像すればいいだろう。「あなたがもっともワクワクし、興奮するタイミングは?」「楽しみや喜びを感じる瞬間は?」と考えたとき、出てくる答えがここに当てはまる。

2つめは、左上のB。ここは、「ポジティブ×日常のゾーン」である。具体的には、「こだわり・趣味ゾーン」である。たとえば、あなたが好きなお菓子を食べるときや、好きなお酒を飲むとき、趣味であるランニングをしているとき。

あるいは、自分がベストだと思う髪型やファッションにして、自分で自分のご機嫌を取っている状態だ。「あなたが日常的に元気になるタイミングは?」「すっきりした気もちになるのは、どんなときか?」を考えれば、わかりやすい。

3つめは、左下のC。ここは、「ネガティブ×日常のゾーン」である。具体的には、「面倒事・嫌いゾーン」である。たとえば、職場で苦手な人と話さないといけないときや、面白さに気づいていない仕事をやっているときをイメージすればいい。人によっては、家事や育児が、そうかもしれない。つまり、「日常的にやってくる、あなたにとって面倒くさいことや嫌なことはなにか?」と考えたときの答えである。

4つめは、右下のD。ここは、「ネガティブ×非日常ゾーン」である。具体的には、「怒り・悲しみゾーン」である。たとえば、だれかとケンカしたときや、信頼する人に裏切られたとき、怒ったり、悲しんだりするだろう。

あるいは、大切な命がなくなることや、病気による苛立ちや情緒不安定も含む。先ほど述べた、「アンガーマネジメント」と「ダウンマネジメント」の領域は、まさにこのDを指している。「あなたが怒りや悲しみを感じ、自分がコントロールできなくなるのは、どんなときか?」を考えれば、イメージしやすいだろう。

整理すると、以下のようになる。

A:非日常×ポジティブなこと=「ワクワク・興奮ゾーン」
B:日常×ポジティブなこと=「こだわり・趣味ゾーン」
C:日常×ネガティブなこと=「面倒事・嫌いゾーン」
D:非日常×ネガティブなこと=「怒り・悲しみゾーン」