余命宣告から18年経ってもピンピンしている
Aさんはかつて酒とタバコをたしなんでいました。大好きだったその酒とタバコをキッパリとやめた上で、食生活の見直しに徹底的に取り組んだというのです。
Aさんが実践してきた食事療法はおおむね以下のようなものでした。
・1日あたりの総摂取カロリーを「1600キロカロリー以下」に抑える
・炭水化物の主な摂取源は白米ではなく「玄米」とする
・タンパク質の主な摂取源は「豆腐(植物性タンパク質)」とする
・「野菜」や「果物」を多く摂取する
・緑黄色野菜をすり潰した「ジュース」を飲む
・「水分」を多く摂取する
実は、その後、Aさんは私が2011年に開設したクリニック(からすま和田クリニック。京都市中京区)を受診され、今(2022年1月現在)も当時と全く変わりなくピンピンしておられるのです。
京大病院時代、私が「余命半年」を宣告した時点から数えれば実に18年です。Aさんのケースは標準がん治療ではおよそ考えられない超長期生存例ですが、おそらく現在の良好な状態を保ったまま天寿を全うされるのではないかと私は見ています。
いずれにせよ、Aさんは「劇的寛解はどうすれば得られるのか」について、私に身をもって教えてくれた最初の患者さんだったのです。