エビ、カニ、鮭も若返りをもたらす

β―カロテンは緑色の野菜に豊富であり、肌や粘膜を丈夫にして肌荒れを防ぎ、髪の毛を美しくする効果があります。さらに、緑色のポリフェノールは、日本人の死亡原因の多くを占める「がん」、「心疾患」、「脳血管疾患」の全てのリスクを50%減少させるという研究結果もあります。

また、緑といえば日常的に緑茶を飲む人も多いと思いますが、これにはカテキンとビタミンCが豊富に含まれているため、1日5杯以上飲むことで脳梗塞の死亡リスクが50%減るという指摘もあります。

他にも若返りをもたらすのは赤の「アスタキサンチン」です。

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この色素にはビタミンCの6000倍、ビタミンEの1000倍の抗酸化力と抗炎症作用があることがわかっています。またビタミンDが豊富であり、骨粗しょう症防止に役立ちます。

アスタキサンチンはカロテノイド色素で、えび、かになどの甲殻類や鮭、イクラなどの赤い色はそれによるものです。赤い見た目は、餌からこのアスタキサンチンを豊富に摂って体内に蓄積するため、そのような色になるのです。

鮭の卵であるイクラも赤い色をしていますが、浅瀬で生まれる卵は強い紫外線にさらされても、このアスタキサンチンによってダメージから身を守ることができるのです。

この栄養素を効率よく摂るには、やはりこれらのえび、かに、鮭、イクラを代表とする赤い色の魚介類、甲殻類を摂取することです。

特に鮭は1切れで1週間分のビタミンDを補えるだけでなく、手に入れやすく値段もお手頃なので、ぜひ食事のメニューに取り入れたいところです。

若返りと健康増進には「色の濃い野菜」を積極的に摂り、なかでも緑の野菜類の分量を多くする、そして赤い魚介や甲殻類を意識的に食卓に取り入れるようにしましょう。

心の状態を上向きにするのは茶色の食べ物

うつや気分の落ち込みなどの精神的ダメージは、食べる色でも回復することができます。心の状態を上向きにするのに最も効果的なのは、予想外かもしれませんが、「茶色」の食べ物です。

具体的には、納豆、味噌、きなこなどの大豆製品、その他玄米、そば、ピーナッツ、ごま、かつお節などの茶色を主体とした食材です。

これらには、「トリプトファン」が多く含まれており、この成分が幸せな気分や精神の安定をもたらす「セロトニン」を生成します。トリプトファンは体内でつくることができないため、食事から摂る必要があります。セロトニンは夜になると睡眠を促すホルモン、「メラトニン」へと変わり、安眠をもたらします。