時刻表を開くと止まらない妄想の鉄道旅
しかし筆者はここで月刊時刻表を開く。巻頭地図がある。
甲浦から周辺へ視野を拡大すると、「高知空港へ飛んで、そこから『土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線』に乗り、バスを乗り継いで室戸岬を経由するルート」が見えてくる。あるいは「大阪から高速バスで淡路島を通り抜けて徳島」、または「和歌山港から徳島までフェリー」も楽しそうだ。
ルートが見えてきたら、それぞれの交通機関について、あらためて乗り換え検索サイトで調べる。ここは時刻表を使わなくてもいいけれども、時刻表を開くとまた発見がある。
JTB時刻表10月号の358ページ、ごめん・なはり線を見ると「オープンデッキ車両で運転」とある。しかも普通列車扱いで特別料金はいらない。高知駅10時16分発の列車だ。これに乗っちゃおうかな、というわけで予定を組み直す。羽田からの飛行機を遅らせてもいいかもしれない。
いやまてよ、四国に行くならば、東京発高松行きの寝台特急「サンライズ瀬戸」があるじゃないか。高松着は7時27分。乗り換え検索サイトは、徳島方面へすぐに乗り継げと表示するだろう。しかし、高松で朝飯としようじゃないか。次の発車は何時だ。いやまて、サンライズ瀬戸は、11月までの金曜土曜は琴平へ延長運転すると書いてある。いったん琴平に寄ってみようか……。
どのルートも楽しそうで、比較しはじめるとキリがない。乗り換え検索サイトのルートにするとしても、さらに時刻表でたどっていくと、その前後を走る列車がおもしろそうだったり、途中で停車時間が長い駅があったり。そこでなにをしようかと妄想旅もできる。乗り換え検索サイトだけで旅を計画したら、こんなに旅を広げられない。