反応できる心の準備をしておく

このように、人の話を聞くときは相手に身体を向け、「全身で聞く」という意識が必要なわけですが、そうなると頷き方や、相槌の打ち方も変わってくるはずです。

笑顔での「なるほどね」という頷きもあれば、深刻な場面での無言の頷きというのもあるでしょう。頷くという行為は「腑に落ちた」ことを相手に伝えるリアクションです。私たちは人の話を聞くとき、きちんと反応できる準備を心の中でしておく必要があるのです。

コロナ禍で、大学の授業もオンラインで行うことがありましたが、最初のうちは顔を出さないで参加している学生がほとんどでした。やってみるとわかりますが、顔が見えずリアクションもない何十人もの学生を相手に、90分の講義をするというのは、どんなにタフな人でもメンタルにこたえるはずです。顔出ししてもらうとラクになりました。

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普段あまり意識していないことではありますが、顔が見えるということは、人がコミュニケーションをとるうえで実は大事なことです。そして、それゆえに聞く側の「身体の姿勢」というのも、とても大事だということなのです。

相手に必要な情報に特化して説明する

相手に何かを説明するとき、すべてを順序立てて話すのではなく、その人が必要としている必須情報に範囲を特化して説明するということが大切です。

その際、「資料にはAからJまで挙がっていますが、現実的にはAとDとFから選ぶしかないという状況です」と絞り込んで伝えてあげれば、会議の参加者はその部分だけ見て考えればいいことになります。全文読んだあとに、「とはいえ、実は3つしか選ぶ道はなく……」などと言ったら「それを先に言え!」と大いに顰蹙を買ってしまうでしょう。

その点において、実に優れた人物が、私の知り合いにいます。彼は必要な情報を時系列にして全体像をメールで報告してくれるうえに、「ついては対処方法は3つに絞られます。Aのこれ、Bのこれ、Cのこれです」と絞り込んでくれます。