「やる気」に依存しない強いチームを
5%リーダーは、エース人材のやり方を水平展開するポリシーがあり、チームの新人はそれを真似すればある程度の成果を出せるようになっています。パフォーマンスを出せないメンバーには、得意を伸ばし、他のメンバーの補完ができるように導きます。
メンバーの強みと弱みを理解し、その掛け合わせでチームの成果を最大化しているのです。
5%リーダーは、やる気があるかないか、ラッキーなことが起きるかどうか、優秀な人材が入ってくるかこないか、といった「不確定要素」に賭けることがありません。やる気がなくても行動を継続する仕組みを作り、偶然の発見を必然にする情報収集をしています。なにより、一個人の能力に大きく依存することを避けています。
変化する環境にもしなやかに適応する5%リーダーは、レジリエンスな人材といえます。バネのように伸び縮みすることで変化に対応し、仮に何か失敗したとしても元に戻ります。
「言われたことだけやる人」はもういらない
ドラッカーは著書『プロフェッショナルの条件』(上田惇生訳、ダイヤモンド社)で、「リーダーシップとは、組織のミッションを考え抜き、確立することである」と記しています。一方、組織でチームを牽引する管理職をリーダーと称することもあります。
しかし、リーダーシップは管理職だけではなく、「全員が持つべきマインドセット」と「実行力」です。
言われたことだけやる人は、実直で組織に求められやすいかもしれません。しかし、世界の変化が激しくて、“正解の行動”がわからない時代は、「言われたことだけやる人」はむしろ厄介な存在です。
労働時間の上限が規制され、出勤することすら制限されても、成果は出し続けなければなりません。自分でアンテナを高く張って、自発的に動かなければ劣化してしまいます。
どうやったら外部の変化を取り込み、しなやかに生き抜くことができるのか。その1つのヒントが5%リーダーの中にあります。