健康で長生きするためには身体を鍛えるだけでダメ

【患者】え? 舌のトレーニングで鼻炎が治る?

【歯科医】人間はもともと鼻から息をする。それは、鼻に鼻毛や粘膜などがあって、空気清浄機のような働きをしているからです。外の空気にはウイルスだとか、PM2.5だとか、花粉だとか体に入ってほしくないものが混ざっています。それを鼻毛や粘膜がろ過してのどの奥から肺に送っている。それが正しい呼吸法。

ところが、舌の位置が下がっていると、きちんと肺に空気が送れなくなります。

【患者】どうしてですか?

【歯科医】舌の根元がのどの奥をぴったり封鎖していない(舌の位置が下がっている)と、途中で空気が抜けてしまい100%の呼吸ができないんです。だから苦しくて口呼吸になる。

すると、汚い空気が常に免疫力の弱い扁桃腺へんとうせんにダイレクトに行ってしまう。それがのどの扁桃腺の慢性的な炎症を引き起こし、アレルギーなどの自己免疫疾患の原因になることもあると考えられています。

堀滋『ウイルスも認知症も生きづらいのも、すべて歯のせい?』(小学館)

【患者】まさか、アレルギーも舌位置が関係していたとは。

【歯科医】鼻炎がある人は、舌の筋肉をしっかり鍛えてください。舌位置を整えたことで、鼻炎薬がいらなくなったという人もいるんですよ。

【患者】舌を鍛えるだけで、いろいろな不調が改善しそうですね。

【歯科医】40代50代になると筋肉量がだんだん減少してきます。だから、健康のためにウォーキングしましょうとか、運動しましょうと言われますよね。そこで体のトレーニングを始める人は多いのですが、舌や口の周りの筋肉は取り残されてしまうんですね。

将来、寝たきりになりたくないという人は、身体だけでなくお口周りの筋肉もしっかり鍛えましょう。

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