「うまくいっていること」に意識を向ける

多くの場合、人の意識はネガティブなほうに向きます。企業の経営に携わるビジネスパーソンとしては、うまくいっていないことに意識を向けるほうが容易な場合もあるでしょう。しかし、わたしが企業幹部向けに行なってきたワークショップでは、うまくいっていることに意識を向けるほうがよほど効果的にリーダーシップを発揮できることがわかってきました。

1970年に打ち上げられたアメリカのスペースシャトル・アポロ13号は、月面へ向かう途中で爆発事故を起こしながらも奇跡的に地球に帰還しました。

「じゃあ、いまうまく動いているものは何なんだ?」

爆発事故という前代未聞のトラブルに遭った時、ヒューストン管制センターが発したこのたったひとつの問いかけが、アポロ13号のクルーの意識をまだ残っている有効なリソースに向けさせ、問題解決への道筋をつくり出したのです。このように、うまくいっていることにこそ意識を向けることは、生きていく上でとても重要なスキルです。

本当に望んでいる結果に至る道筋

世の中には、新型コロナウイルスのように個人の力ではどうにもコントロールできないこともあります。しかし、コロナ禍においてさえ、美しいものやうまくいっていることに意識を向けるのか、それとも不安にのみこまれてついネガティブな情報ばかりに意識を向けてしまうのかは、自分自身で選択できます。

自分の意識をどこに向けるかは、いつでも自分自身でコントロールできます。そして、意識の向け方によっては新たな選択肢を見つけられますし、そこからあなたが本当に望んでいる結果にたどり着く道筋を見つけられるようにもなります。

結果を変えられるかどうか。ここが最も重要なポイントなのです。

(構成=山田ちとら)
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