もんじゃ型は「手段の目的化」を起こす

一方で、後者の「もんじゃ型」はアルバイトの働き方に似ています。「今日は○時間働かなくてはいけないから○時間働く」くらいの意識しかないと、非常に効率が悪い状態で働いている可能性があります。それは、「手段の目的化」という現象が起きてしまうためです。

手段の目的化とは、「目的を達成するためにある手段をとる」という構造が逆転してしまい、「この手段をとるためにこの手段をとっている」という状況になることを言います。先ほどのアルバイトの例でみてみましょう。

本来アルバイトというものは「○時間働いて、その中でこの作業を行う」というように働くべきです。ですから、ある作業が終わったら別の仕事を探して従事することが理想的な働き方になります。

布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)

しかし、モチベーションの上がらない仕事の最中などに「今日は○時間アルバイトかぁ、そしたらとりあえず○時間だけいればいいか」と思ったことはありませんか? 恥ずかしながら、僕は何度かそう思ってしまったことがあるのですが……。

この場合、「アルバイトの時間を潰す」ということが目的になってしまっていて、アルバイトとして雇われた際の目的であった作業補助員としての役割が見失われてしまっています。「時間いっぱい使っていい」という意識に繫がりかねないのです。

ですから、タスクを処理していこうとなった際には、必ず「もんじゃ型(時間ベース)」ではなく、「たこ焼き型(タスクベース)」で考えましょう。何度も繰り返すようですが、「○時間働いて……」という意識ではなく、「この仕事を○時間以内で片付ける。そのあとは△時間でこの仕事に移る」というように、タスクに制限時間をあてていくような意識で考えましょう。

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