大きな違いは「作った生地の調整ができるかどうか」

どちらも大体同じようなくくりの料理とされてしまっているような気がするのですが、たこ焼きともんじゃの作り方は全く異なります。たこ焼きについては、専用のたこ焼き機に一つ一つ生地と具材を落としていくのに対し、もんじゃについては、最初に具で「土手」と呼ばれるドーナツ状の輪を作って、そこにもんじゃの生地(汁)を注いで作りますよね。

これら二つの大きな違いは、作った生地の調整ができるかどうかというところにあります。たこ焼きに関しては、それぞれの穴に目分量で生地を入れることで、ある程度の微調整をすることができます。生地の量が足りないなと思えば後から継ぎ足すこともできますし、食べたい分だけ穴に生地を入れればよいのですから、余らせるか使い切るかも自由に判断できます。

一方で、もんじゃ焼きの方は、土手が完成し次第、すべての汁を一気に投入しなくてはいけません。大抵の場合は土手から汁があふれ出してしまい、鉄板上で大水害が起きてしまうこともしばしばだと思いますが、基本的にはもんじゃの汁は一発勝負となってしまい微調整がききません。

理想の時間の使い方は「たこ焼き型」

なんとなく察している方も多いかとは思いますが、時間術として理想的な時間の使い方は前者の「たこ焼き型」になります。つまり、それぞれのタスクに対して、何時間で処理するのかということを最初に決めてしまうのです。その日の作業時間全体の中から大体何時間ずつ(もしくは何分ずつ)割り振ることができるかということを考えて、これくらいの時間で終わらせるという時間を設定しておく方法です。

ただし、この方法を取る場合には、必ずバッファとして余りの時間を設けなければなりません。計画というものは絶対にどこかで狂いが生じるものであるからです。最初からカツカツなタイムスケジュールを組んでしまうと、どこかが押した時に別の作業で同じ分だけ巻かなければいけません。

しかし、最初に余裕をもっておけば、最悪間に合わなくてもそこから時間の貯金を崩せば、全体として差し引きゼロにすることができます。生地が足りないたこ焼きに後から生地を足していくように、長引きそうならバッファの時間から後から継ぎ足して調整をするという方式になります。

理想の時間の使い方は「たこ焼き型」
出典=布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)

この方法の良いところは、タスクに制限時間をつけることができることに加えて、一日の見通しもある程度つけることができるという点にあります。タスク処理の際の時間の使い方の基本は、「自分の調子を鑑みて適切な時間に適切なタスクを配置する」となります。

前もって「このタスクにはどれくらいの時間がかかりそう」という予想だけしておけば、例えば「このタスクは30分以内に終わるから、この後すぐ朝のうちに片づけよう」「これはとても長引きそうだから、最後に回して余った時間全部回そう」などと作戦を立てることができます。