もんじゃ型は「手段の目的化」を起こす

一方で、後者の「もんじゃ型」はアルバイトの働き方に似ています。「今日は○時間働かなくてはいけないから○時間働く」くらいの意識しかないと、非常に効率が悪い状態で働いている可能性があります。それは、「手段の目的化」という現象が起きてしまうためです。

手段の目的化とは、「目的を達成するためにある手段をとる」という構造が逆転してしまい、「この手段をとるためにこの手段をとっている」という状況になることを言います。先ほどのアルバイトの例でみてみましょう。

本来アルバイトというものは「○時間働いて、その中でこの作業を行う」というように働くべきです。ですから、ある作業が終わったら別の仕事を探して従事することが理想的な働き方になります。

布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)
布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)

しかし、モチベーションの上がらない仕事の最中などに「今日は○時間アルバイトかぁ、そしたらとりあえず○時間だけいればいいか」と思ったことはありませんか? 恥ずかしながら、僕は何度かそう思ってしまったことがあるのですが……。

この場合、「アルバイトの時間を潰す」ということが目的になってしまっていて、アルバイトとして雇われた際の目的であった作業補助員としての役割が見失われてしまっています。「時間いっぱい使っていい」という意識に繫がりかねないのです。

ですから、タスクを処理していこうとなった際には、必ず「もんじゃ型(時間ベース)」ではなく、「たこ焼き型(タスクベース)」で考えましょう。何度も繰り返すようですが、「○時間働いて……」という意識ではなく、「この仕事を○時間以内で片付ける。そのあとは△時間でこの仕事に移る」というように、タスクに制限時間をあてていくような意識で考えましょう。

【関連記事】
世帯年収300万円、勉強嫌いな息子を「東大に逆転合格」させた両親の"ある習慣"
「頭の回転が速い」「センスがいい」そう言われる人が無意識にしていること
東大卒の異才・山口真由が考える「国算理社」で一番重要な科目
「過労で倒れ6度の入院」シングルマザーの弁護士が50歳で起業を決意した理由
「底辺校から東大へ行く子vs地頭がいいのに深海に沈む子」明暗決める12歳までの親の"ある行動"