※本稿は、布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
「時間の使い方」をたこ焼きともんじゃ焼きで考える
みなさんは大阪に行ったことはあるでしょうか? 僕は一度だけ、大学に入ってから友人と行く機会があり、訪れたことがあります。僕は粉物が大変好きなのですが、やはり食い倒れの街というだけはあり、本場のたこ焼きをおいしくいただくことができました。
僕のたこ焼き好きは、実は育ってきた環境にもあります。僕の祖父母はたこ焼き屋を営んでおり、たまに遊びに行くと必ず手作りのたこ焼きや焼きそばなどを食べさせてくれたことを覚えています。自慢ではないですが、祖父母の焼くたこ焼きは本当においしくて、特に焼き立てならば、いままで食べたどんなたこ焼きよりもおいしいと自信をもって言うことができます。
一方で、もんじゃ焼きという料理に関してはほとんど食べたことがありませんでした。高校生の頃、部活動の打ち上げでもんじゃを食べに行くことになったのですが、そこで初めて「もんじゃ」という食べ物に触れました。周りの友人たちが慣れた手つきで土手を作っていく中、一人だけ何をしていいのか分からず、右往左往していたように思います。そのあと、お好み焼きや焼きそばを焼くという段階で巻き返しましたが……。もんじゃ焼きは東京の月島が有名ですから、ぜひ一度行ってみたいとは思うのですが、なかなかそちらに行く機会がなく、真においしいもんじゃには未だに出合ったことがありません。
「いきなりたこ焼きともんじゃの話なんかしだしてどうした?」と思われる前に、この話をさせていただいた意図をご説明しましょう。僕は、仕事を効率よく進めるために一番大事な「時間の使い方」についての説明をしたいと思っています。どのようにして時間を使っていけばいいのか、また、逆にどのようにしてはいけないのかについて、実は「たこ焼き」と「もんじゃ」が例えとして分かりやすいと考えたのです。それぞれの生地を時間として考えてみましょう。