男子が求める「手厚い福利厚生」の中身
【池谷】僕は、入社後の生活には福利厚生が大事かなと思っています。特に家賃補助の有無は大きいですね。転勤がある企業だと賃貸に住むしかないから、給料の半分を家賃に持っていかれたら貯金なんかできないって先輩が言っていました。家賃のせいでプライベートを切り詰めるような生活はしたくないです。
【原田】結構「家賃補助」を挙げる人が多いんですね。まるで昭和に戻ったみたい。昔は家賃補助をする会社も多かったけど、バブルがはじけ、日本企業も余裕がなくなってきて家賃補助を打ち切ってきた流れがあるけど、また復活させる必要があるかもしれません。今のZ世代はバブル世代が若かった頃みたいに、闇雲に消費をしたりしないから(笑)、家賃という固定費が抑えられると心理的に安心感を抱きやすくなっているのかもしれませんね。
【田中】福利厚生と言えば、ベンチャーでNetflixなどのサブスクに補助費を出す企業がありました。コンサルティング会社でも、入社時に書籍代として20万円を支給するところがありましたね。インプットにお金を出してくれたら自分の成長にもなるし、意欲を持って働けそうだと思いました。
【西川】先輩が勤めている会社では、交際費として毎週1万円が支給されるそうです。接待費ってことじゃなくて、プライベートも充実させてほしいからって。そういうバランスを大事にする企業なら、働き方にも配慮や工夫をしてくれそうだなと感じます。
【原田】日本は長らく人手不足が続いたから、ベンチャー企業を中心にたくさん面白い福利厚生が登場しているようですね。女性社員に美容代を出すというアイデアフルな企業もあるようだし、特に中小企業や不人気な業界はZ世代向けに彼らの望む新しい福利厚生を考えていく必要がありそうです。
みなし残業、年功序列度はOB訪問や口コミサイトでチェック
【原田】会社が自分にどう貢献してくれるかも大事だということですね。ちなみに、企業を選ぶ時、転勤や副業禁止のほかにどんなところが減点ポイントになりますか?
【佐藤】みなし残業がある企業は嫌です。お給料にあらかじめ残業代が含まれているって、その企業の闇が見える感じ(笑)。就活生のうちはあまり重視しないと思うんですが、社会人の知り合いからは「絶対チェックしたほうがいいよ」って言われます。OB・OG訪問で会った人に聞けば、その辺もぶっちゃけてくれますよ。
【田中】ガッツリ年功序列がある企業は好ましくないと思っています。同期と横並びで昇進するのが嫌なわけじゃなくて、若手の意見が反映されにくそうだから。対外的には「若手活躍」をうたっていても、昇進するのは皆40歳過ぎてからとか、それじゃ本当の活躍とは言えないですよね。その辺りの実態は、色々な企業の社員が投稿している口コミサイトでチェックしています。