会社から「明日から出社しなくていい」と言われたら、どうすればいいか。フリーライターの松沢直樹氏は「会社から退職届などの書類提出を求められるが、サインしてはいけない。ほとんどのリストラは法的には違法だ」という――。(第1回/全3回)
※本稿は、松沢直樹、山岸純(監修)『おっさんず六法』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
業績不振を理由に従業員を強制的に解雇することはできない
この法律で身を守れ!
【労働基準法第20条】社員をクビにする場合、30日前に予告するか、予告を行わない場合は解雇予告手当を払わなければならない
【労働契約法第16条】
解雇の濫用を防止する法律。誰が見てもやむをえないと考えられる場合を除いて解雇は無効とする
──まさか、オレがリストラのターゲットにされるとは。それなりの結果は出しているのに、倉庫へ異動させられ、さらに「たいした仕事をしていないから減給する」とか言われる始末。いっそ辞めてしまいたいが、家族がいるから仕事を失うわけにもいかない。オレは一体、どうなっちゃうの……?
これは、とある業績不振の大企業で実際にあった話である。結論からいうと、もちろん違法。会社はあなたをクビにできない。法律では、次のように規定されている。
・労働基準法第20条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
つまり、会社が社員を解雇できるのは社員が犯罪を犯して有罪判決を受けるなど、解雇に相当することをやってしまった場合ぐらい。あるいは東日本大震災のような大規模災害などで、今の状態では事業の継続はとても不可能といった特殊な事情下にあるときぐらいである。それ以外は、きわめて厳密な法律の縛りがあるのだ。