就職・転職を考えたとき、これからはどんな企業を選べばいいのか。投資家の藤野英人さんは「大企業が安泰ではなく、むしろハイリスク。投資する対象としても、働く職場としても、元気な中小企業のほうがよほど将来性がある」という——。

※本稿は、藤野英人『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

ビジネスセンターに出入りする人々
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仕事とは“お金をもらえる学校”なのか

14歳の君は将来の夢を誰かに聞かれたとき、「資産家」なんて答えていたけれど、具体的なイメージは持っていなかったように思います。だから、将来に対して、漠然とした不安を抱えているかもしれません。

でも大丈夫。40年後の君は、こんなに楽しく仕事をして、素敵な仲間と家族に囲まれて暮らしているから、安心してほしい。

さて、その「仕事」だけれど、君はどんな印象を持っているでしょうか?

君とほぼ同い年の中学3年生、ちかこさんという子と話をする機会がありました。そのとき僕は聞いてみました。「仕事ってどんなイメージ?」と。

すると、ちかこさんはすごく興味深い答えを返してくれたんです。

「仕事は“お金をもらえる学校”に行くことだと思います」

なるほどなあと感じました。

藤野英人『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)
藤野英人『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)

少しだけ補足します。実は、この問いかけの直前にちかこさんは、あまり学校が好きになれない時期が長かったという話を打ち明けてくれていました。

中学1年生のとき、担任の先生が苦手で、通学するのが苦痛な時期があった。でも、3年生に進級する直前、新型コロナウイルスの影響で全国一斉休校になった。学校に通わず、自宅で自習する日が続くと、「学校に行くのはあまり好きじゃないけれど、勉強自体は面白いかも」と気づいた。だから、学校に行かなくても好きなように勉強できたらいいのに、と最近は思っている。

そんな話をしてくれていたので、この時点のちかこさんは学校に対してポジティブな気持ちを持っていないことがわかっていました。