新しいアイデアを生み出す「対比思考」のやり方

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は、『対比思考』でした。

小柴大輔『対比思考』(ダイヤモンド社)

あなたはどのように新たなアイデアを生み出すでしょうか。徹底的に情報収集したり、過去の事例にヒントを求めてみたりするかもしれません。パソコンの前でひたすら頭をひねり続ける人もいるでしょう。

考えても、どんな手を尽くしても、何も思いつかない……そんなときに使えるのが、本書で紹介される思考のフレームワーク「対比思考」です。

「対比思考」には、さまざまなタイプがあります。要約でご紹介しているのは、「対極的対比」「似て非なる対比」「対比を出して中間を行く」「垂直的対比」の4つ。

「対比を出して中間を行く」は、まず両極端の意見を想定し、その中間から解を探るものです。いわゆるニッチ戦略も、「対比を出して中間を行く」思考法のひとつだといえます。ニッチ戦略においては、単なる形式的・妥協的中間ではなく、大企業と大企業の中間で最適解を探る積極的な思考をもって、新たな打開策を見つけていきます。

本書では、アイデアを生み出すときだけでなく、伝える技術としての「対比思考」にも言及されています。さまざまな場面で応用できる方法として、学んでおいて損はありません。

社会人にも応用できる「自宅学習」のコツ

続いて、第5位『自宅学習の強化書』にもご注目ください。

葉一『自宅学習の強化書』(フォレスト出版)

新型コロナウイルスの流行によって、子どもたちは大きな影響を受けました。休校中に「自宅学習」の大切さに気づいた保護者も少なくないでしょう。

本書は、教育系YouTuberとして中高生に絶大な支持を誇る葉一氏が、中学生とその保護者に向けて「自宅学習力」を上げるためのポイントをまとめたもの。自分の頭で考え、目標に向かって勉強を進めるにあたって必要な知識が書かれています。

本書には、社会人にも使える情報が詰まっています。例えば「時間ではなく量で区切る」「間違った問題ノートを作る」「分割勉強法で集中力を維持する」などといったアドバイスは、資格試験や外国語の勉強、毎日の仕事にも役立つのではないでしょうか。

著者は本書で、自宅学習力は社会人になっても役立つものだといいます。目標を定め、自分の長所や短所、ライフスタイルを考慮しながら計画を立てて学ぶ力は、自律的に働く上で欠かせないものだからです。子を持つ保護者はもちろん、在宅勤務が続くなか、自分をうまくマネジメントして成果を出したいビジネスパーソンにも、ぜひ手に取っていただきたい一冊となっています。