中味のないスカスカの味噌汁か、具たくさんで「実」の多い味噌汁か
こうした地味さ、華のなさが、世界の魑魅魍魎の渦巻く外交の舞台で、どう評価されるかは未知数だ。また、危機的状況においては、もっとエネルギーを上げて、強い言葉を紡ぎ出していく必要にも迫られる。彼が良く唱える「自助、共助、公助、そして絆」もポエム的でわかりにくい。学術会議についての説明責任も問われるだろう。説得力を持って語ろうとするのであれば、納得のいく「なぜならば」を示さなければならない。
一方で、「国民のために働く内閣」と強調したが、まさに仕事人、職人肌で、実直、実務派、実行重視。「名」を捨て「実」を取るイメージを前面に打ち出したデビュー戦のコミュニケーション戦略は悪くなかった。
フタを取ったら、中味のない「すかすか」の味噌汁か、具たくさんで「実」の多い滋養豊富な味噌汁になるのか。これからの手腕に期待したい。