このほど河野太郎行政改革担当大臣の指示で、閣議後の文書を紙の「こより」で綴じる作業が追放された。菅義偉政権の発足以来、電源政策の転換から「こより」のような小さな慣習の見直しまで、大小さまざまな分野で改革への着手、実行が続いている。それができるのはなぜか。橋下徹氏が独自の見立てを語る。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(10月20日配信)から抜粋記事をお届けします。

なぜ安倍政権で「未完」だった改革が菅政権で動き始めたか

菅義偉政権が誕生して1カ月が過ぎた。たった1カ月なのに、政府のデジタル化を推進するデジタル庁の創設準備、携帯電話料金の引き下げ検討、不妊治療への保険適用、行政手続きからのはんこ追放、再生可能エネルギーの主力電源化などなど、たくさんの政策が一気に前へ動きはじめた。その多くは規制改革を伴うため難度が高いと思われてきたものだ。

菅政権は安倍政権を継承するという。安倍政権は外交・安全保障の土台(ベース)を築いてくれたので、菅政権はそのベースにどっかりと乗っかればいい。この点は、このメルマガVol.217(【いよいよ発進!菅義偉政権(1)】早くも改革エンジン・フル稼働!僕が新内閣に期待すること)で十分に論じた。

そこで菅政権は、安倍政権において未完であった国内における改革に矢継ぎ早に着手している。これまで多くの議論がなされていたにもかかわらず、抵抗勢力の存在で一向に進まなかった改革が動く気配を国民は感じている。しかもスピード感をもって。そのことが菅政権の高い支持率を支えている。

なぜ、菅政権がこのようなスタートダッシュを切ることができたのか。

それは国家組織を十二分に動かしているからだ。

もちろん、結果が出るのはこれからだが、しかし改革というものは着手がうまく行かなければ結果もでない。

そこで今回は、菅政権の「国家組織の動かし方」について論じてみたいと思う。

改革で最も重要なのは「課題を見つけること」

  • ・携帯電話料金の値下げ
  • ・最低賃金の引上げ
  • ・行政のデジタル化
  • ・運転免許証とマイナンバーカードの統合
  • ・不妊治療の保険適用
  • ・外国人の土地取引規制
  • ・教育のデジタル化
  • ・オンライン診療の恒久化
  • ・はんこの廃止
  • ・選択的夫婦別姓の検討
橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう 』(プレジデント社)
橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう 』(プレジデント社)

菅政権は次から次へと改革課題の検討・着手に入った。しかも、それらは国民の生活に密着し、わかりやすいものが多い。

安倍政権が取り組んだ外交・安全保障は、国にとって一番重要な政治課題であるにもかかわらず、国民は生活への影響を実感しないので、国民一般には非常にわかりにくかったことと対照的だ。

改革において最も重要なことは、まずは改革課題を見つけること。本来、この役割は国会議員が担うべきなのだが、常にアンテナを敏感に張り巡らせておかないと改革課題を見つけることはできない。

(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約1万3000字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.220(10月20日配信)の「本論」から冒頭部分を抜粋したものです。もっと読みたい方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【国家の動かし方(1)】これが菅改革「スタートダッシュ」の核心だ!》特集です。

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