行動パターンを把握することで改善点を見つける
また、たとえば「他部署や他社とのコラボレーションの度合い」についてデータ化、見える化されたとしても、部署によって、個人によって「勝ちパターン」は異なります。当然ながら、企画開発部門と、営業部門と、管理部門では「求められるコラボ度」は違います。「データが単純に善し悪しを示していない」とはそのような意味です。
マイクロソフトも同様の考え方で、「マイアナリティクス」にせよ「ワークプレイスアナリティクス」にせよ、データそのものに意味や目的を求めているわけではありません。「自分たちはどんな行動を目指すのか」が大前提にあり、その仮説・検証をするためにデータを活用しているのです。(自分たちの「勝ちパターン」が実践できているかを検証するためのツール)
また、自分たちの「行動パターン」「仕事の傾向」をデータとして客観的に見て、改善ポイントを発見していく。(「勝ちパターン」を発見するためのツール)
そのために「マイアナリティクス」や「ワークプレイスアナリティクス」が機能しています。
「営業は外回りしてナンボ」と考える上司がいたら
業務改善を進めていく上で「データ化」「見える化」は必要不可欠です。
たとえば、「営業は外回りをしてナンボ」と考えているベテラン上司がいるとします。しかし現代において、必ずしも外に出ればいいわけではなく、SNSなどのツール活用が価値を生むかもしれませんし、オンラインで先方とコミュニケーションした方が、スムーズかつ頻繁なやりとりができる可能性は十分にあります。
ただ、こうした状況を議論のテーブルにのせるのは案外難しい。
「営業は外回りだ」と主張する上司と、「そういう時代じゃありません」と主張する部下の議論は、お互いが感情論をぶつけあうだけで、結局は飲み屋の愚痴レベルで終わってしまう。
「社外での活動時間」「社内での活動時間」「SNSの使用頻度」「営業先とのオンライン対話の回数、時間」などさまざまなデータが明示され、営業成績や残業時間、成約までの工数と紐づけられた分析結果が出たらどうでしょう。
この企業の営業パーソンとしての「効果的な仕事ぶり」、すなわち一つの勝ちパターンが見えてきます。
もちろん、すべての営業パーソンが同じ行動をとった方がいいのかは議論の余地が残りますが、少なくとも「仕事ぶり」と「成果」がデータによって見える化されると、議論のテーブルにのせられるのです。
これこそマイクロソフトが行っている「働き方の見える化」です。