「最高の人生を生きる」と決める

元の仕事に戻れば、また「そこそこ」には成功できたでしょう。

けれど、時代は移り変わるのに、自分だけが同じ場所にとどまるのは、緩やかな後退ともいえます。「そこそこ」の人生は、最悪ではありませんが、最高でもないのです。

私は、前に進み続けようと思いました。

やりたいことにどんどんチャレンジし、毎日がエキサイティングで心躍る「最高の人生を生きる」と決めたのです。

そのためのファーストステップが、作家という職業を目指すことでした。

作家といっても、文章がうまかったわけではありません。それまで書いたことのあるいちばん長い文章といえば、学校の卒業文集という程度です。

ただ、私には唯一与えられたギフトがありました。それは20歳でアメリカに渡り、そこで出会った大富豪たちから聞いた「お金と幸せ」に関する教えでした。

私が描いた夢は、その教えを自分だけのものにするのではなく、本を通じて、たくさんの人に伝えたいというものだったのです。

10代の頃、私の夢は政治家になって人類に貢献するということでした。私が学んだこの「お金と幸せ」の教えも、大げさですが、世界の人々を幸福にする力を持っているはずだと考えました。夢は、どんどんふくらみました。

コロナをきっかけに、ワクワクの止まらない毎日を

もちろん、すぐに夢が叶ったわけではありません。知り合いに作家がいたわけでも、出版社にコネがあったわけでもありません。

書店へ行って「作家になる方法」のようなノウハウ本を立ち読みするところから始まり、「やっぱり自分には才能なんてないな」と落ち込んだり、「いや、やれるかも」と気を取り直したりの繰り返しでした。

それでもあきらめず試行錯誤をするうちに、未知の扉が少しだけ開いて、その向こうにほのかな明かりが見えました。

そこからは、思いがけないチャンスが立て続けに舞い込み、ワクワクの連続でした。「明日は何が起こるんだろう?」と、朝になるのが待ち遠しいくらいでした。

出会う人も変わりました。それまで身の周りにいたのは、ごく普通のビジネスマンやパパたちだったのが、クリエイティブな仕事をする人々や世の中にパワフルな影響力を持つ人々が、次々と目の前に現れたのです。

あなたが大切にしていた「そこそこ」の暮らしは、もう二度と戻ってきません。嘆いたり懐かしんだりするのではなく、これを機会に、あのときの私がそうだったように、人生をやり直してみませんか?

これからは、いずれにしても、想像していたのと全く違う人生になっていく可能性があります。

歴史を見ても、人生は、戦争、地震、自然災害などで、全く新しい航路へ向かって、大きく舵を切りはじめるのです。