あなたは今、心の底から望んだ人生を生きているか。作家の本田健氏は「コロナショックをきっかけに、最悪でもないが最高でもない『そこそこ』の人生に違和感をもつ人が増えている。最高の人生を生きたければ、可能性を『断つ』といい」という——。

※本稿は、本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

COVID-19に起因する困難を克服するビジネスパーソン
写真=iStock.com/ilkercelik
※写真はイメージです

揺らがず、振り幅が小さい「そこそこの人生」

衛星画像が捉えた中国・武漢上空は空気が澄み渡り、観光客が消えたイタリア・ヴェネチアの運河には、何年ぶりかで魚や水鳥が戻ってきたそうです。

コロナショックは、環境にはいい影響を与えたものの、世界経済は「恐慌」レベルの大きな打撃を受けています。そして、たくさんの大切な命が奪われました。

あなたは今、何を思い、どんな生活をしていますか?

勤めていた会社が突然倒産したり、リストラに遭って途方に暮れたりしている人もいるかもしれません。今月の家賃やローンの返済の心配で、胃が痛くなる思いをしている人もいるでしょう。

小さなウイルスが、多くの人の仕事や生活を一変させてしまったのです。

そこまで影響を受けていない人も、暗雲があなたの人生に忍び寄っていることを感じはじめているかもしれません。世界的不況が始まったら、間違いなく自分の会社や家族にも影響があるからです。

ここで、これまでのあなたの人生を振り返ってみてください。

仕事や暮らし、パートナーに満足していましたか?

いつもの仕事、気心知れた仲間、住み慣れたわが家と家族……。満足というほどではないけれど、給料もまあまあで、取り立てて不満もない。「まあ、そこそこ幸せですよ」。そんなふうに答えていた人が多いのではないでしょうか。

想定外の大失敗もなければ、驚くほどの大成功もない。

揺らがず、振り幅が小さいのが「そこそこ」の人生の特徴です。

このままその「安定」という名の小さな箱にすっぽり収まっていれば、ストレスも少なく、確かに居心地がよかったでしょう。

けれど、ちょっと考えてみてください。以前のその暮らしは、果たしてあなたが心の底から望んで選び取ったものだったでしょうか?