外国語は確実に世界を広げてくれる

【三宅】では最後に、英語学習、あるいは海外への挑戦を含めて、目標に向かって頑張っている人々へのメッセージをお願いいたします。

【中澤】語学に関して言えることは、世界が確実に広がるということですね。僕もポルトガル語を勉強したからこそ、サッカー王国のブラジルでサッカーができましたし、現地の選手たちともコミュニケーションをとれるようになりました。

それに遠征先などで「俺、ポルトガル語を話せるよ」と言うと、それだけで知らない人たちとの間にやり取りが生まれて、いろんな経験ができます。英語のような汎用的な言語を話せるようになれば、今までにない素晴らしい経験がたくさんできると思います。

「とりあえず」「まずは」はNGワード

【中澤】あとは、とにかく目標設定が大事だと思います。なんのために英語を学ぶのか? その目標の期日はいつか? 期日から逆算したとき、いま自分は何をすべきなのか? そういうことを常に意識しながら「正しい努力」をしてもらえれば良いかなと思います。

【三宅】「正しい努力」ですか。

【中澤】以前こういった話を聞いたことがあります。「技術的なことに関しては、目的がないと意味がない」と。たしかにそうだよな、と思ったことがあります。「目的のない努力ほど無駄なことはない」ということです。

僕自身、昭和の生まれで、若い頃はどちらかというと「量」を重視するタイプでしたが、その言葉を聞いてからは「質」を重視するようになりました。

【三宅】いまのお話を仕事に置き換えると、組織の中で働く場合も、惰性で働くのではなく、個人としての具体的な目標や目的が大切だということですね。

【中澤】そうですね。実際に若い選手たちをみていても、目標をしっかり言語化できていて、その目標を達成するために自分で考え、行動に移せる選手は絶対に伸びます。「とりあえずJリーグに出たいです」とか「まずはレギュラーですかね」みたいに、「とりあえず」とか「まずは」といった言葉を使う選手はたいてい伸び悩みます。

あと「お前はこれをやれ」と言われないと練習しないような選手はなかなか伸びません。代表に選ばれたり、日本から世界に出て行ったりする選手は、自分で目標を掲げ、それに向かって自分で行動できます。ビジネスの世界でも同じだと思います。

【三宅】おっしゃるとおりです。

【中澤】ですから、英語の勉強をするにしても、なんとなく「英語を話せるようになりたい」という曖昧な目標ではなく、「私は○○をしたいから、いつまでにこのレベルになる」ときっちり目標設定をして、それに向けてコツコツと「正しい努力」をしていただければ、必ずその努力は報われるはずです。

【三宅】本日は、素敵なお話をありがとうございました。

撮影=原貴彦
元サッカー日本代表の中澤佑二氏(左)とイーオン社長の三宅義和氏(右)
(構成=郷 和貴)
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