今は物理や化学に興味を示し、YouTubeを使って勉強する

動画で見たことは1回でわかってしまうという匠吾君だが、準1級レベルから独学に限界を感じはじめたという。

「やはり、人に教わったほうがいいのではと思い、近所で塾を探しましたが、小学生に準1級レベルを教えられるような先生が見つかりませんでした。大阪に大手の塾があるのですが、小3を遠くまで通わせるのも不安があり、たどり着いたのがオンライン家庭教師の“究進塾オンライン”です」(貴弘さん)

匠吾君の使っているテキストとノート。小学生と思えない丁寧な字で数式が書き連ねられている。準1級から独学での限界を感じはじめたそうだ。

究進塾オンラインでは週1回1時間、東京大学理学部数学科(当時)の深澤武志先生に教わったという。

「匠吾が問題集で解けなかったものを私がスマホで写真をとり、先生に送っていました。それをもとに先生が準備をしてくださって、スカイプでお互いの手元の解答を見せ合いながら指導していただく流れです。先生も大人向けではなく匠吾に合わせてやさしく教てくださって、とても親切でした」(母・方美さん)

匠吾君も「二次曲線がわからなかったときに、先生が丁寧に解説してくれて、わかりやすかったです」と満足そうだ。YouTubeやオンライン家庭教師がなかったら、準1級以上は受かっていなかった、と匠吾君。

「数学のノーベル賞、フィールズ賞を取りたい」

数検を取り終えたあとは物理や化学に興味を示し、YouTubeを使って勉強する日々だ。現在は中学受験の塾に通い、国語や理科などを補いながら灘中学への入学を目指している。

(左)本棚にあるのは数検のテキストのほか、算数図鑑や大学生レベルの参考書など。手前にあるのは、幼少期によく遊んでいた算数の計算ゲーム。(右)幼少期から数に興味を示していた匠吾君。外出時も数字の形をしたスポンジを持ち歩いていたという。

「ほっといてもどんどん学んでいくんです。自分で学べるのがYouTubeのいいところですよね」(貴弘さん)

匠吾君に将来の夢を聞いた。

「数学のノーベル賞、フィールズ賞を取りたいです」