大谷翔平選手はグラウンドに出たとき、しゃがんでゴミを拾うことがある。また高校時代には、寮のトイレ掃除を文句一つ言わずにやっていたという。なぜそうするのか。ジャーナリストの桑原晃弥さんの書籍『圧倒的な力で世界を切り拓く 大谷翔平の言葉』(リベラル社)より一部を紹介する――。
「人間性」も必要だと考えてきた
真面目にやってきた人間が「てっぺん」にいくべきだと思っています。(『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』扶桑社文庫)
大谷翔平が花巻東高校時代に作成していた「目標達成シート」。その中央には「ドラフト18球団」と書かれていました。
これ自体はいかにもプロ野球を目指す高校生らしいものですが、大谷はそのために何が必要かを考えます。
挙げられた要素の中には「体づくり」や「メンタル」だけでなく、意外にも「人間性」や「運」が書き込まれていました。
世の中にはスポーツや芸能などに秀でていれば人間性は関係ないと考える人もいますが、大谷はそのようには考えていなかったのです。
「模範となる人物」を目指してきた
トップに立つ人間、成果を上げる人間は、模範となる人物、真面目にやってきた人間であるべきで、自分もそうありたいというのが大谷の考え方です。
だからこそ、大谷は今でもグラウンドを歩いているときにしゃがんでゴミを拾うことがあります。高校時代は、佐々木監督から言われた「球場の一番高いマウンドに立つ人間は、みんなが一番嫌がる仕事をしなさい」という教えを守り、寮のトイレ掃除も文句一つ言わずにやっていました。
表の努力だけでなく、裏の努力も惜しまない。
大谷は常に「てっぺん」を目指すにふさわしい人間であろうとしているのです。