※本稿は、加藤俊徳『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
すべての答えは自分の脳の中に眠っている
禅の言葉に「回光返照」という言葉があります。
回光とは光を戻すという意味です。そして光とは仏性のこと。返照とは光を当てて照らすということです。
つまり仏性はもともと自分の中にあるのだから、自分に戻って自分自身を照らしてみなさいということです。
禅ではすべての大切なこと、すなわち仏性は本来自分の中にあると説きます。
ですから、外側に真理を求めるのではなく、自らの内側に真理を求めなさいということです。
この考え方は、まさに私の脳に対する考え方と同じです。
じつは脳には、さまざまな知恵や力が眠っていて、それを掘り出してくるだけで、問題も悩みも解決できると考えています。自ら認識している以上に、あなたの脳は賢者なのです。
ところが、得てして人は、自分の内なる光に気がつかず、外側に答えを求めてしまいます。
必死になって情報を求め、そこに答えがないかどうかを探そうとします。
とくに現代のような超情報化社会になると、さまざまな情報が溢れていますから、ついついそれに流されてしまいます。
世の中の情報をうのみにすると、不安に苛まれがちです。
老後資金は2000万円以上ないといけない、これからは投資をしないと生き残れない、子どもはとにかくいい大学に入れないと将来苦労する……。
人々の不安をことさらに煽り、それによって利益を得ようと考える人たちがいます。それに乗せられて、いろんな商品や情報を購入してしまうのです。
外側に光を求めているうちは、いつまでたっても不安はなくなりません。
誰かに新たな不安の種をまかれてしまうと、それがすぐに大きく育ってしまいます。
今のような時代こそ、私たちは内なる光を探し出し、それによって自分自身を照らさなければなりません。
自分の中の光とは、あなた自身の脳みそだということです。
ひとり言はまさに自分の中の光を探し、それと向き合うための手段なのです。