本質にたどり着いている人は何をしているか。脳内科医の加藤俊徳さんは「SNSやチャットGTPなど、私たちは答えを自分の外のデータや情報に求めがちだ。だが、自分が何をしたいか、何が大切か、どうするべきか、といった自分の問題の答えは、自分自身の中にしかない。本当の知恵や宝は、自分の中に眠っている。一人二役のように、ひとり言で会話を続けて自分と向き合うひとり言こそ、自己を認知し、内なる答えを見つける究極のツールである」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、加藤俊徳『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

会話をする人たちのイラストのイメージ
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右脳からの直感的なひとり言こそ見逃してはいけない

私自身はひとり言をたくさんつぶやく人間ですから、ひとり言との向き合い方もかなりベテランの領域に入っていると思います。

とくに無意識に口を突いて出てきた言葉に対して、注意を向けるようにしています。

ひとり言は、左脳を軸にした「内言語」による思考が言葉になって、音声として発せられたものだと考えられます。

ただ、左脳由来ではなく、右脳のメッセージが直接ひとり言に結び付くものもあると考えています。

右脳では非言語情報であるイメージや表象、感覚や感性的な心象のようなものが生まれます。

それは言語化されたものではないので、なかなか意識化されず、無意識の中に眠っていることも多いといえます。

そんな非言語的なメッセージが、意識に昇ってくることがあります。

左利きであり、右脳が優位に発達した私も、そのような非言語のメッセージがたくさん右脳から送られてくるのです。

それは「直感」に近いものといってもいいでしょう。

たとえば、編集者からよく企画書が送られてきます。右脳優位である私は、文字を追い、論理的に内容を吟味するよりも、まず企画書全体をパッと見たときの印象が先に浮かび上がってきます。

直観的に「これはいい!」「面白そうだ!」と感じるものもあれば、その印象がぼやけていて、何かしら弱い感じがするときがあります。

そのとき、思わずひとり言をつぶやくことがあります。

「うーん、なんだかいま一つだな」
「よくわからないけど、企画として弱いなぁ……」

ブツブツと、ひとり言を洩らしているのです。この段階のひとり言は、言葉として意味をなしていないこともあります。

ですが、この右脳からのメッセージこそ、自分の直感であり、じつはとても重要なものなのです。

口から出てきた時点で、私自身が、「お⁉ 今、何て言った?」と注意を向けるようにしています。