そもそも、「お客様にどうアプローチして、提案し、問題点を払拭して、クロージングをかけ、アフターセールスするか」というフレームができていない、あるいは、カタログや提案書等はあっても、商談の組み立ては営業マンまかせという会社が多いものです。

フレームがきちんとできていないと、いくらテクニックを磨いても売れません。フレームの軸になるのが、営業ツールやトーク、そして営業フローであり、“営業マン個々のナレッジを蓄積していく”という考え方です。例えば、「初回アプローチに○○の資料で□□を説明する」というフレームを決めておく。それに対してお客様から必ず出てくる決まった質問や競合情報などがあるものです。それらを蓄積し、チームで共有化して提案資料をブラッシュアップしていけば、営業のナレッジはどんどん蓄積されていきます。

初回面談からクロージングまで、営業の各プロセスでこうした営業のフレームワークを決めておけば、新人営業マンでも初日からクオリティの高いセールスができるし、ベテラン営業マンも知らぬ間に古い営業法に凝り固まるという事態にならずにすむわけです。

また基本的なことですが、重要なのは、商品のUSP(Unique Selling Proposition:売り手から見た商品の強み、他社商品との違いや優位性)をしっかり分析し、営業マン自身が商品に惚れこむこと。「ウチの商品は売りにくい」と言う営業マンは、このUSPを見つけることができていません。売りにくい理由はいくらでも挙げられますし、商品のせいにするのは簡単です。欠点を挙げるのではなく、長所を見つけて伸ばすのです。どんな商品でも徹底的に検証すれば、USPはたくさん見つかります。それが冒頭のように大きく売り上げを伸ばすきっかけになるのです。