消費増税、新型コロナ…家電も家具も売れず、再建は困難?

もちろん、リスクもあります。ここまで見たように、大塚家具の経営はここ数年間でかなり弱体化しており、業績も低迷、ブランドイメージも低下しました。ここまでは、売上高、利益ともに非常に厳しい状況です。

それをヤマダ電機の傘下に入ったことで、早急に立て直せるかどうかが焦点です。同社の山田昇会長は、住宅事業と家具販売の親和性が高く「シナジーを最大化できる」「家具は粗利が高い」と発言しています。ヤマダ電機の会員名簿の経営資源を利用して家具を売ったり、逆に大塚家具の顧客である富裕層などにヤマダの家電を売ったりするシナジー効果には双方の経営トップも期待しています。

写真=時事通信フォト
2019年12月12日、記者会見するヤマダ電機の山田会長と大塚家具の大塚社長

ただ、消費増税の影響で個人消費が落ち込んでいるのに加え、新型コロナウイルスの影響で中国人の訪日客によるインバウンドがさらに冷え込むなど、家電業界には逆風が吹いています。それは、より単価の高い家具業界にも打撃であるに違いありません。

そう考えると、大塚家具の再建はなかなか難しいと言えます。ヤマダは大塚家具を子会社とした以上、業績が振るわない場合には、経営陣の刷新も含めた大きなテコ入れを行うのではないかと考えられます。大塚家具の今後の展開に注目です。

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