そうしたら、1月20日付、毎日新聞2面の「風知草」というコラムにおいて、毎日新聞特別編集委員の山田孝男さんが、「問題の核心である背任の起訴内容を、検察はもっと発信したらいい。夫人は疑惑のカネの受け皿企業の代表で、接見禁止が『妻と会えぬ日本的な暗黒』という問題ではないことも」と主張していた。

山田さん、貴殿はゴーン氏を有罪だという前提で考えていませんか? ゴーン氏の妻に接見禁止理由があるという情報は、検察側から聞いた情報ではありませんか? ゴーン氏側、弁護人側からどのような主張を聞いた上での判断なのでしょうか? 何よりも国家機関が法廷以外で一方的に有罪情報を発信することに恐ろしさを感じませんか? 毎日新聞が特集を組んで徹底追及している政府による公文書廃棄よりも、そんな情報発信する国の方がもっと怖いですよ。

橋下 徹『トランプに学ぶ 現状打破の鉄則』(プレジデント社)

それよりも大手新聞社が、推定無罪の大原則を無視した国家権力による情報発信を奨励することが一番恐ろしい。

法廷で有罪判決が確定した時だけが有罪だ。被告人が逃げようがどうしようが、有罪判決が出なければ、ゴーン氏は有罪ではない。小難しいことを論じるよりも、この近代国家の大原則を一から勉強し直してください。

(略)

そして最も重要なことは、ゴーン氏に日本の裁判をどのように受けさせるかということである。それもフェアの思考に基づく方法で。なかなか難しいところではあるが、実は参考になる事例が過去に存在する。

(略)

(ここまでリード文を除き約2700字、メールマガジン全文は約1万2300字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.184(1月21日配信)の本論を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【フェアの思考(2)】ゴーン氏事件の問題点 検察が被告人「不利」の情報をリークするのはアンフェアだ》特集です。

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