無罪だった小沢さんの事件についてなぜ「小沢は真っ黒」情報がメディアに溢れたか

報道ではゴーン氏の容疑について、物凄い情報が氾濫している。どう考えても捜査機関しか把握していないような情報がどんどん出ている。

そして、ゴーン氏が逃亡した後、先日ゴーン氏の妻に偽証罪容疑でいきなり逮捕状が出た。ゴーン氏の妻は既に日本にはいないので逮捕状を執行することはできない(逮捕することはできない)にもかかわらず。

これはゴーン氏が会見において、妻と面会できなかったことも日本の刑事司法制度の問題点であるとして、日本を脱出した理由にあげていたので、検察はこの点に反論したかったためであろう。逮捕状容疑について、ゴーン氏の妻が関係者に証拠隠滅の働きかけを行っていたという情報がどんどんメディアから出ており、そのためにゴーン氏は妻との面会を禁止されていたと言わんばかりだ。その情報はどう考えても捜査機関しか知り得ない情報で、検察によるリークとしか考えられない。

報道の自由が最大限保障される日本においては、メディアが捜査機関側を取材し、色々な情報を流すことは認められるだろう。しかし、そうであれば、フェアの思考からすると、容疑者・被告人の言い分もしっかりメディアは報じるべきだ。

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また捜査機関側も、容疑者・被告人に関する容疑の情報に関しては、もっと丁寧に扱うべきだ。

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2009年に大騒ぎとなった、小沢一郎現国民民主党衆議院議員をめぐる事件報道は反省材料として典型的なものだ。西松建設事件、陸山会事件。あのときは、小沢さんを追い落とすような大きな世の中の流れがあり、小沢さんが有罪であるかのような情報が山のように流れた。圧倒的に多くの国民が、小沢さんは有罪、「真っ黒」という認識を持ったと思う。

報道による小沢さんバッシングはすさまじく、小沢さんは政権交代直前の民主党の代表を辞任したり、政権交代を果たした後の民主党幹事長を辞任したりした。

しかし、最終的に小沢さんは無罪となった。あのときの「小沢さん有罪間違いなし」という報道は何だったのだろうか。

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