添加物なくしてツナマヨおにぎりなし
現在、報告される食中毒死亡者は年間数人程度。食品工場の衛生管理のレベルは著しく向上しています。作業者は手袋をして調理加工を行っており、おにぎりであれば、機械が成形します。
中の具材は、ツナマヨネーズなど品質が変わりやすいものが人気のため、食品添加物も用いて日持ちを向上させています。
添加物がなければ、ツナマヨネーズ入りのおにぎりは、家庭で作ってすぐに食べるしかありません。しかし、添加物のおかげでコンビニエンスストアなどの店頭に一定時間並べられ、私たちは気軽に購入して食べることができます。
添加物には厳しい安全性審査がある
では、食品添加物の安全性はどのように守られているのでしょうか?
食品添加物に指定されて許可されるには、図表1のような試験で問題がないことが確認されなければなりません。人体実験はできませんので、主に動物を用いて試験をします。動物と人では代謝のメカニズムが異なる部分もあり、それを補うためによく似た化学構造を持つ医薬品や天然物質などの人への影響を調べた研究結果なども考慮します。
日本では、内閣府食品安全委員会がさまざまなデータを集めて詳細な検討を行い、問題ないと判断したものだけが使用を認められます。厚生労働省が、添加物ごとに使い方や使用量、残留する場合の規格基準等を決め、事業者はそれらを守って使用しています。
「添加物は、悪い原材料をごまかすために使われる」というのは、よく聞かれる話です。しかし、添加物の使用量には多くの場合、上限があり、品質をごまかすほどの量は使えません。また、食品の原材料価格がかなり安い一方、添加物はおしなべて高価。添加物は、品質の保持や向上、安全性確保などのために使われるのです。