【お悩みタイプ4】眠った感じがしない
長時間寝ているはずなのに、熟眠感がなく、朝起きたときに爽快感がなかったり、だるさを感じたりするという悩みを解決するためには、「睡眠圧」という仕組みを知ることが役立ちます。「連続して起きている時間が長いほど、その後の睡眠が深くなる」というもので、睡眠物質が関係しています。
私たちが起きている間、脳内には睡眠物質がたまっていきます。睡眠が始まると睡眠物質は分解されていき、目が覚めるのです。ところが、夕方にうたた寝をすると、せっかく日中にたまった睡眠物質が分解されてしまいます。
まずは、ひとまとまりの睡眠をつくるようにしましょう。
一日を振り返ると、うたた寝する場所は帰宅途中の電車内やリビングのソファなど、決まっていると思います。脳は、人間の行動パターンを学習し、記憶してしまうので、疲れていないときでもその場所に行くと眠くなるのです。
ですので、行動パターンを変えやすく、体が疲れていない休日などを選んで、夕方にうたた寝をする場所に近寄らないようにしましょう。十分な睡眠圧をもってベッドに入る日をつくると、脳はその行動パターンを学習します。
さらに、睡眠の質を決める「深部体温」も重要です。深部体温は、内臓など体の内部の温度で、一日のうちで上がったり下がったりを繰り返すのですが、起きてから11時間後に最高になることがわかっています。このときの最高体温が高いほど、その後ズドンと下がり、ぐっすり眠ることができます。
ですから、まずは休日の夕方に体を動かし、深部体温を上げるようにします。また、深部体温のピークは、今日運動をして高くなると、翌日も、もし運動をしなくても少し高くなる傾向があります。
土日の2日間と、平日のあまり忙しくない日の1~2日間だけでも、夕方に少し歩いたりして体を動かすと、深部体温のピークが上がっていきます。
▼解決策:絶対うたた寝する場所に近寄らない
【お悩みタイプ5】起きられない
起床時刻のばらつきは、3時間以内に揃えましょう。例えば、普段6時に起きる人は、休日寝だめをするときにも9時には起きるようにします。起床に関係するホルモンのコルチゾールは、起床時刻の3時間前から分泌され始めますが、起きる時刻が3時間以上ずれると、起床の準備が間に合わず、イライラしたりやる気が出なくなったりしてしまいます。
そのうえで、寝る前に起床時刻を3回唱える自己覚醒法を行います。このときに注意したいのは、目覚まし時計のスヌーズ機能(一定時間ごとに鳴りだす再アラーム機能)に頼りすぎないことです。
7時に起きなくてはならないとき、目覚まし時計を6時半にセットし、スヌーズ機能を使って最終的に7時に起きるという人は多いと思います。しかし、スヌーズを使うほど決まった時間に起きられなくなります。