社会現象を巻き起こした韓国の「あの一冊」
今回最後にご紹介するのは、19位にランクインした小説『82年生まれ、キム・ジヨン』です。「社会現象」となったこの一冊。物語は33歳、ワンオペ育児中のキム・ジヨン氏が奇妙な症状を発症するところから始まり、カウンセリングを受けることに。そして、キム・ジヨン氏の来し方が、淡々と記述されていきます。原書が刊行された韓国では、100万部を突破するベストセラーになりました。
本書が大きく注目を浴びたのは、韓国の女性が日常で体験する理不尽をたくみに描写しているからに尽きます。事実、韓国はOECD加盟国のなかでも男女の賃金格差がもっとも大きい国で、英国の『エコノミスト』誌が発表した「ガラスの天井(女性などの昇進を妨げる、目に見えない壁)指数」でも、調査国のうち最下位を記録しています。
日本においても、これはひとごとはありません。一昔前と比べると、ずいぶん女性が生きやすい社会になったと言われますが、まだまだ乗り越えなければならない慣習や構造があります。
女性から支持を受けているのはもちろんのこと、男性からも大きな反響があり、要チェックの一冊と言えます。
今月は『超効率勉強法』の他にも、『THE TEAM 5つの法則』『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』『天才を殺す凡人』が2カ月連続でランキング入りしました。また昨年12月の記事公開にもかかわらず、『学びを結果に変える アウトプット大全』もベスト20に復活しています。来月はどのような結果になるのか、注目です。
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