古典を読むことには、どのような意味があるのか。作家のナムグン・ヨンフンさんは「古典には根源的な問いが書かれている。その問いによって、思考が深まり、脳を変化させるほどの威力を発揮する」という――。
※本稿は、ナムグン・ヨンフン『みんなが読みたがる文章』(日経BP)の一部を再編集したものです。
「古典を読ませる教育」で名門となったシカゴ大学
なぜ古典を読まなければならないのでしょうか?
脳の発達と機能、ふたつに分けて説明します。
1.脳の発達のため
アメリカのシカゴ大学は、1980年に石油財閥のジョン・D・ロックフェラーが設立した、1929年までは何の変哲もない学校でした。しかし、第5代総長にハッチンズが就任し、世界の偉大な古典100冊をすらすらと諳んじるまで学生を卒業させないという「シカゴプラン」を始めました。
すると驚く変化が見られました。これ以降から現在までに、80名を超えるノーベル賞受賞者を輩出したのです。
全校でビリだったウィンストン・チャーチル、小学校入学から3カ月で退学させられたトーマス・エジソン、学業不振児クラスに通っていたアイザック・ニュートンも、古典を読むことで新しく生まれ変わりました。
このように、古典は脳を変化させ、人生まで変えるのです。