日本マクドナルド創始者の著書が復刊

藤田田『ユダヤの商法』(ベストセラーズ)

ここからは今月の注目作をピックアップ。7位の『ユダヤの商法』は、日本マクドナルドの創始者である藤田田(ふじた・でん)氏の著書です。最初に書かれたのはいまからおよそ50年前ですが、今年になって新装版として復刊されました。

古さを感じさせる記述もありますが、その古さこそが、おもしろさを生み出しているから不思議です。一方で、藤田氏の説いている「お金をもうける」ことの原理原則は、今でも通用するものばかり。実用書としてはもちろんのこと、教養書として注目を集めているのも納得といえます。

閉塞感のある現代社会だからこそ、昭和の時代を勢いよく駆け抜けた藤田氏の生き方には参考になる点も多いはず。「78対22の法則」などを理解しておくだけでも、ビジネスの見え方が変わってくるでしょう。

『妻のトリセツ』著者が教える「機嫌の直し方」

黒川伊保子『女の機嫌の直し方』(集英社インターナショナル)

ケンカする夫婦が75%ともいわれる結婚式場。男性脳と女性脳の違いを研究するリケジョ(理系女子)の真島愛は、結婚式場でアルバイトをすることになります。そして愛とウェディングプランナー青柳誠司が、「女の機嫌」を直すために奔走する――。本作は、そんな笑いあり涙ありのラブコメディ映画『女の機嫌の直し方』の原案です。月間ランキングでは12位に入りました。

著者は『妻のトリセツ』(講談社+α新書)などのベストセラーでも知られる、人工知能研究者の黒川伊保子氏。黒川氏によると、男女の脳はとっさの信号特性が異なっており、ときにはまったく別の装置のように振る舞うとか。「女心は複雑怪奇」と思考停止せず、相手としっかり向き合うための教科書として、あるいは映画の副読本として、お読みいただければと思います。