人事を尽くし、避けるべきものは避ける

「最終手段ですが、相手を切り離すこともあります。つまり、なんとか退職してもらうよう、トップに働きかけるケースです。社長に相談するとなれば、メールや勤務実績表を整理し、これまでの相手の相談事項が多すぎて自分の仕事等に支障が出ていることがわかる資料を準備しておくことが必要です」

任意交渉、役所のあっせん手続き、裁判所での労働審判段階では、解決金を相場どおり支払えば任意退職で話がまとまる可能性が高いという。

「和解する場合には、6~12カ月分あたりが実質的な相場といったところです。なお、労働組合がこの手の問題に介入してくるときがありますが、労働組合側も無駄な時間を浪費したくないので、問題が長期化することは案外多くないのが実情です。傷病手当、失業保険、障害年金などの制度を理解したうえでの交渉・行動が実務上は必須ですので、ある程度の知識を覚えておいたほうがよいでしょう」

○:人事を尽くし、避けるべきものは避ける
×:同じ話をいつまでもループ

野澤 隆
1975年、東京都大田区生まれ。東京都立日比谷高校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。弁護士秘書などを経て2003年、司法試験第2次試験合格。08年、城南中央法律事務所を開設。
 
(撮影=小原孝博 写真=iStock.com)
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