【事例1】相手に心地よいノイズを与えよ
私は、「Tokyo Work Design Week」という、新しい働き方を支援するプロジェクトを立ち上げて、カンファレンスやワークショップなどのイベントを主宰しています。しかし、このタイトルだけを伝えても、聞いている相手はイメージしづらいでしょう。
そこで私は、「“働き方のフジロックフェスティバル”です」と付け加えています。フジロックフェスティバルは、新しい音楽に出会うことができる祭典です。それと同じような新しい働き方に出会うことができる祭典を主宰しています。すると相手は、「様々な働き方とたくさんの人が集まる、オープンな雰囲気の楽しいイベントなのですね!」という理解や会話の広がりが生まれて、私に対する期待も芽生えます。
つまり、相手に「心地よいノイズ(興味をそそる違和感)」を与えるのです。自分の価値を何か別のものに見立てたり、たとえたりすることで、相手の心に引っかかりをつくります。ぜひ対話型の自己紹介を目指しましょう。
【事例2】期待を生み出すギフトで心をつかめ
自己紹介のとき、相手の琴線に触れるポイント(ギフト)を持っていると、「期待のマネジメント」の主導権を握ることができます。
「楽天」で楽天大学の学長を務める仲山進也さんは、期待するなと言うほうが難しいほどの「ギフト」を持っています。その秘密は、仲山さんの名刺です。
図表3のように、人気スナック菓子のおまけシール風の名刺を持っています。「ナカヤマシンヤ」というロゴと、デフォルメされたご自身のオリジナルイラストが描かれています。
子どものころシールを集めていた思い出が蘇り、「どうやって作ったのですか?」と尋ねました。すると、「楽天にある店舗で注文できますよ」とのこと。しっかりと楽天のセールストークにつなげるところは、鮮やかです。