ひさしぶりに会う人には、どう話しかければいいか。電通のコピーライター・PRアーキテクトの中川諒さんは「相手が覚えていないことを前提に、恥ずかしくても自分から名乗って、声をかけたほうがいい」という——。

※本稿は、中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

ビジネスパーソンが笑顔で握手
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自己紹介は名字ではなく名前を名乗る

自己紹介は、あなたを知って覚えてもらう千載一遇の大チャンス。しかし、第一印象が決まるそのような大事な機会を、わたしたちは活かしきれていない。

この国に自分と同じ名字の人は何千人何万人もいるということを知っておきながら、名字しか名乗らないような当たり障りのない自己紹介を、わたしたちは何度も繰り返している。無難な自己紹介は、むしろ傲慢だ。相手に覚えてもらう工夫を放棄しているともいえる。

中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

そんな自己紹介について、あらためて考え直してみよう。たとえば名字でなく、下の名前を名乗るだけで、相手との距離はグッと近くなる。名前の漢字を説明してもいい。それだけで記憶に残りやすくなるはずだ。

最近ハマっていることを語ってもいい。好きな食べ物を伝えたっていい。話題は何だっていい。これは会話のきっかけに過ぎない。名字だけでは話題は広がらない。何より、相手に覚えてもらおうというあなたの姿勢が伝わることが大切なのだ。

自己紹介を考えるうえで、自分のプロフィールを一度書き出して、200〜300字程度にまとめてみることをお勧めする。初めて会った人に、自分の経歴のどこに興味を持ってもらえるのかを客観的に見ることができる。さらにキャリアを考えるうえでも、自分がこれからどのような経歴を重ねればいいかを考えるきっかけになる。