趣味についての会話は、「どちらがより詳しいか」というマウンティング合戦になる恐れがある。電通のコピーライターでPRアーキテクトの中川諒さんは「好きなバンドの話題は危険すぎる。『好き』よりも『オススメ』を聞くといい」という——。

※本稿は、中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

ステージで演奏するバンド
写真=iStock.com/Onradio
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一日一回でいいから誰かを褒めてみる

あなたは最近いつ人を褒めただろうか。日々周りの人の良いところを目にしているはずなのに、それを口に出して本人に伝える機会は意外と少ない。

人を褒めるときにわたしたちが恥ずかしさを感じるのは、相手のリアクションを想像してしまうからである。褒めたことで相手から「偉そうだ」「ヨイショされたみたいで不快だ」と思われるのではないかと不安になってしまう。

中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

褒めることを「自分のキャラじゃない」と考えている人も少なからずいるだろう。どうしても褒めるのが苦手だという人は、他人の言葉を借りるのもひとつの手だ。「あの人が資料よくできてたって言ってたよ」「あの人が○○さんは本当に優秀だって褒めてたよ」などと、誰かの言葉を借りて間接的に褒めるといい。

褒めるとは、恥ずかしさと引き換えに人に喜びを与えることができる行為なのだ。

褒められることで人は自己肯定感が高まり、心理的安全性の確保にもつながる。大変だった仕事も、その努力が報われる。

いい接客をしてもらったら、商品を受け取るときに「あなたの接客だったから買いました」と伝えよう。飲食店で美味しい料理を食べたら、店を後にするときにキッチンに向かって大きな声で「ごちそうさまでした、美味しかったです」と伝えよう。言われた方はきっと、あなたが想像している以上に嬉しいはずだ。