趣味ではなくハマっていることを聞いてみる
趣味の話は、関係性を深める共通の話題として機能する。しかし趣味の話をするときは、相手より自分を優位に見せようとする「マウンティング」に注意する必要がある。
好きなバンドの話になったとき「デビュー前から応援していたのに、気づいたら有名になっちゃって〜」と言う人。○○監督の映画が好きと言ったら、初期の作品を見たかと迫る人。
悪気があるわけではなくても、どちらかがマウンティングだと捉えた瞬間に、勝ち負けのない競争が始まってしまう。すべては受け取り方次第なのだ。
マウンティング合戦に巻き込まれないために、新しいことを教えてくれた相手には「マウンティングされた」ではなく「新しいことを教えてくれてありがとう」と思うようにしよう。目の前で教えてくれたことを携帯にメモして後で検索しよう。
そもそも「趣味はなんですか?」という質問は意外と答えにくい。正解がないうえに、自分をさらけ出す必要もあるので、答えるハードルが高いのだ。趣味にまつわる質問をするときは、「趣味はなんですか?」ではなく「最近ハマっていることはなんですか?」。
「一番好きな映画はなんですか?」ではなく「最近見てオススメの映画はありますか?」。こうすることでお互いにファイティングポーズをとらなくて済むだろう。
雑談では、相手が大事にしていることを聞いてみる
会議で人が揃うまでスマホやPCと向き合ってしまう。リモート会議が始まるまで、カメラもマイクもオフにしてしまう。そんなときこそ自分の恥の殻を破るチャンスだ。
ぼーっと沈黙して待っているくらいなら、世間話をしよう。「場を和ませるのは自分の仕事ではない」と思うかもしれないが、場が和むことで一番得をするのは自分なのだ。待ち時間に会話をしていれば、本題の打ち合わせでも話しやすくなる。
世間話をするような関係性をつくったことによって、自分の心理的安全性が確保されるのだ。
自分が口火を切りさえすれば、話の内容は自分が中心である必要はない。特に話す内容がなければ、誰かに質問してみよう。
雑談で自分の話題以外で会話を弾ませるコツは、相手が大事にしていることについて質問することだ。相手が洋服好きなら「買い物とかどこに行くんですか?」。家族との時間を大切にしている人なら「お子さん今年でおいくつですか?」。
このように「本当は好きで人に話したいこと」を質問されると会話は盛り上がる。
話の内容は何でもいい。そのあとの打ち合わせであなたの居心地がよくなることが大切だ。誰かのためではなく、自分のために、勇気を出して沈黙を破ろう。