▼自分磨き編
まとまった時間よりスキマ時間の使い方で差がつく
本は全ページ読まなくてよい
仕事のスキルアップには自己投資や自己研さんが重要だ。ところが、というか、やはりというか、低所得者の半数以上が自分磨きをしておらず、高所得者との差がはっきり出た。
読書は基本的かつ最も簡単な自分磨きの手段だが、低所得者の過半数が月に1冊も本を読んでいない。理央氏は「高収入の人、仕事のデキる人は間違いなく本を読んでいます」と言い切る。「経営者の大事な仕事は、考えぬいて知恵を絞ることです。他社ではやっていないこと、新しい事業やサービスをいかに見つけるかという粘り強さが必要です。そのためには読書が最適。それは一般のビジネスパーソンにとっても大事なことだと思います」。
とはいえ、読書に慣れていない人はどのように本を読めばよいのか。ビジネス書を中心に月50冊以上を読破するという野呂氏は次のように助言する。
「最初から最後まで全部読まないことですね。『あ、これ知っている』『自分もやっている』といった話は飛ばす。新しいこと、発見があったページだけをじっくり読みます。全部読むのは時間のムダです」
理央氏も、「私も全部は読みません。以前は一言一句理解しようとしていましたが、すべてが自分にとって重要なわけではないと気づきました。面白そうなもの、心に響く言葉などを1つでも自分の仕事に生かせれば、それで十分です」と話す。
読書の時間もわざわざつくる必要はなく、空いた時間を利用すればよいという。実際、読書習慣のある高所得者はスキマ時間を活用している。
「この日のこの時間に読書しようと考えるのではなく、5分、10分の電車の移動時間などを利用する。読書とは直接関係ないですが、高層ビルなどでエレベーターがなかなか来ないときがありますよね。そのときにボーッと階数表示を見ているのではなく、その2~3分を使ってスマホでメールを返信したりすればいいんです。ああいうスキマ時間を生かさないのは本当にもったいないですよ」(野呂氏)