▼私生活編
趣味や家族との時間は仕事の成果にもつながる

スマート家電や家事代行の活用を

質の高い仕事をするうえで、プライベートの充実も大切だ。事実、高所得者ほど趣味に多くの時間を割いている。

「私もそうですが、仕事は好きだけど、仕事だけだと擦り切れてしまいます。アウトプットするにはインプットが必要。そのためには趣味や好きなことをする時間が大切で、それによって心に余裕ができ、いい考えやアイデアが浮かびやすくなります。それが仕事の成果に結びつき、キャリアや収入アップにつながるのだと思います」(理央氏)

家族とのつながりも大事だ。子育てに関しても、まったく関わらない割合は高所得者のほうが低く、平日忙しい分、週末(週に2日)に積極的に関わる姿が浮かび上がった。

「子どもが家に居たころは掃除や料理などの手伝いを一緒にすることで、家族みんなで分担するように意識していました。ただ、物理的にそれがきちんとできるかどうかよりも、そういうふうにやろうよという意識が大事でしょう。家族が互いに思いやれるかどうか。家族関係がギクシャクしていると、仕事にも影響しますからね」(理央氏)

忙しくて家のことに手が回らない場合は、野呂氏のように家事代行サービスやスマート家電などをうまく活用するのも手だろう。「私は自分の下着類以外はすべてクリーニングに出しています。食洗機やお掃除ロボットなどもあるので、自動化できるものはどんどん自動化すればいい。また、家計の問題はありますが、家事代行に頼めるものは頼んだほうがいいでしょう」。

私生活面では、コンビニや飲食店での支払い方法にも差が表れ、高所得者の約80%がクレジットカードや電子マネーを使うのに対し、低所得者は約45%にとどまった。野呂氏は、「極端な例でいうと、タクシーの支払いを電子マネーでするのと、現金では1~2分の差がある。わずかな時間ですが、チリも積もれば山になるのでバカにできません。そういう小さな習慣を変えていくことで時間を有効活用できます」と話す。

調査方法:NTTコム リサーチで実施。個人年収500万円未満158人、個人年収1500万円以上153人から回答を得た。調査日は2018年12月11~13日。

理央 周
マーケティングアイズ代表取締役
関西学院大学経営戦略研究科准教授。著書に『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など多数。
 

野呂エイシロウ
放送作家
PRコンサルタント。著書に『成果につながる!仕事と時間の「仕組み術」』(明日香出版社)など多数。