公立短大という進学の抜け道
短期大学は高学歴化が進む中で学生集めにどこも苦戦している。在籍学生数は93年の53万人をピークに18年は約12万人にまで激減してしまった。
ただ、これは短大の広報不足が原因であり、就職ニーズなどを考えればもう少し人気化してもおかしくはない。
実際に、高校を取材すると、「私たちは教育の質の高さから短大を勧めたい。ところが生徒のほうはオープンキャンパスの機会などで専門学校のほうが面白い、と感じている。それで同じ2年制でも短大ではなく専門学校を選ぶ生徒が多い」(宮城県の高校教員)など、専門学校の宣伝上手、短大の広報下手を指摘する意見は多い。
北海道武蔵女子短期大学の権藤拓就職課長は「全道から多様な学生が集まっていることもあり、企業からの求人ニーズには柔軟に応えられています」と話す。そのため、採用者数を減らしている金融業界へも就職者を例年出している。このような短大が各地にある。地元での就職にこだわる場合は専門学校より短大を進学先候補とするのもいいだろう。
それから4年制大学を目指す場合でも短大は実は進学先候補となる。高校の進路指導教員の間で穴場進学ルートとなりつつあるのが公立短大だ。
公立だけあって、学費は安く年額40万円程度(4年制・国公立大は50万~60万円)。しかも、在学中に編入対策をしっかりしておけば4年制大学、それも国公立大に3年次編入学をすることができる。それでいて、公立短大の倍率はそこまで高くなくせいぜい2倍程度。つまり、入試の負担もそれほど重くなく、学費も高くない。編入学対策をちょっと頑張れば国公立大への編入もできる、といいことずくめだ。